時々思うことがあった


          俺は、郵便屋か?


          大阪から東京

          ま、行先は 毛利探偵事務所

          何故、俺が金かけて
          ここまで せぇへんとあかんのやろか


          まぁ
アイツの為やで、しゃぁないけど
          って、前までは そう思ってた


          せやけど
今は違う

          アイツ利用して
          俺が会いたい為に
          行くんやと

          最近、思いはじめた―――

 

     Title郵便屋の曇れる時


           『悪いな、服部。郵便屋の真似事をさせちまって。』
           「
悪い思うんやったら、自分で行けや」

          そう言うと 必ずアイツは決まって


           『んな、俺が行ったら殺される』

          ほらな。来た
          何度も聞き飽きた台詞
          耳にタコが出来るっちゅうぐらいに


           「へーへー。分かった
分かった。で、俺は何をすればええん?」
           『流石は服部。あのな

 

          ってそれが二日前やったかな
          工藤が俺に寄こしたモンは
小さな封筒

          めっちゃ気になんねんけど
          見たら、絶対しばかれそうや

          しゃぁないけど、渡しに行くか…―――

 


           「あっ、服部君。いらっしゃい。」
           「よー。 今日も、工藤から預かってきたで?」
           「あ、ありがと。ったく
新一も自分で来たらいいのに」

          文句を言いながらも
          その封筒を嬉しそうに持つ姉ちゃんがおる

           「ま、事件があるんやから、しゃぁないんとちゃう?」
           「いっつも『事件・事件』ばっかで
ホント、何やっているのよ アイツは」
           「あはは

          空笑いしか出てこぉへん
          俺かて、アイツの行動範囲は予測不能や

           「あっ、服部君。ソファに座って寛いでいて?お茶用意してくるから」
           「かまへん かまへ

          俺が断ろうとしたけど、もう姿はなく
          パタパタッとキッチンへ向かう足音だけが聞こえた

           「行動、早っ」

          そんな行動に俺は、クスクスと笑って
          言われたとおり ソファに座って姉ちゃんを待った

 


           「お待たせ はい、どうぞ

           「おーきに
?」

          出されたお茶を啜りながら、姉ちゃんの方を見た
          さっきの元気がなくなって
……る?


           「
……何かあったんか?」
           「えっ?! そ、そんな事ないわよっ」
           「
もしかして、手紙。変な事でも書いてあったんか?」
           「
……っ」


          
―――― げ、図星ですか。姉さん
          てか、工藤。手紙に何を書いたんや!
          あのアホーーーーっ!!


           「ち、違うのよっ
た、ただ
           「
ただ?」
           「ん。何でもないわっ。気にしないで、ね?」


          
と、言われても
          分かるもんは、分かってまう
          伊達に 探偵やっとらへんのや

          顔の表情見たら 一発で分かるわ


          しかも、無性に 守りたくなんねん。
          そんな顔されてしもうたら

 

           「あんな奴やのうて俺にしときぃ」

          俺は、姉ちゃんを抱いた。
          強く締め付けて
          身動きが取れない程に。


           「ちょ
ちょっと、服部君?!」
           「俺
ずっと好きやってん。姉ちゃんの事が」


          堪忍。何か言いたくなってしもうたん
          あぁ
吃驚して固まっているやんけ


           「だから
俺にしときぃ。姉ちゃんの事、泣かしたりせぇへん だから


          一言一言のたびに、腕の力は強まってしまう
          我慢しろっ、俺っ
―――


           「ありがと。だけど
新一の事で泣いたりしてないから、大丈夫よ」
           「
………俺、工藤って一言も言ってへんで?」

          俺は、ニヤリと笑って、その場をごまかした

           「Σえっ
           「ぶはっ
顔、真っ赤やで 面白いなぁ」

          抱きしめた腕を放し、口許に手を当てクスクスと笑った

           「もぉ〜服部君の意地悪っ!!」
           「あぁ、冗談やって。でも、元気出たやろ? 元気なさそうやったから

           「
……ありがとう」

          姉ちゃんは微笑んで、俺の顔を見た

           「お茶、代えてしてくるわね」と言い、またキッチンへと向かった

           「ふっ〜……。の、乗り切った

          ソファへドカッと座り込み、一つ 大きな溜息をついた

 

           「はぁっ〜やっぱ工藤には敵わへんなぁ。しかも、アイツに この気持ちに気付かれてしもうたら、俺 
            半殺しにされそうや
いや、半じゃ済まされへんかも」

          ポツリ呟いて天井を見た

          気づいたらもう止められない
          ダメだと分かっても 叶わぬと思っても
          体は正直で
 求めてしまう
          気持ちの中には 曇れる感情が蠢いて 抑えきれない

          隠し通せるだろうか
          それとも 見つかってしまうだろうか

          曇れる感情は今も心の中を彷徨っている――


          けど。やっぱり

          俺は、この立場を利用して
          彼女に近づくんだろう


          そして、ホントは渡したくない

          アイツからの手紙

          だけど
          姉ちゃんが、悲しむから 寂しがるから
          渡さないとあかん


          まったくもって、嫌な立場やなぁ
――――


                                        ■ Fin ■


       〜〜〜〜〜〜後書という、悪足掻き〜〜〜〜〜〜

       初の、平蘭です。
       
と言っても、「新蘭←平」 のようですが

       何かぐちゃぐちゃだなぁ(お前がな)
       もっと 色々してあげたかったんだけど
文章力ない自分は此処までで力尽きた
       ま、服部。頑張れや(えぇ)

       やっぱ、日々精進ですなぁ(一人納得/するなよ)
       とまぁ、こんな感じで 執筆は続けます 多分

       それでは。

                                                        H19.2.1
                                                     From.sakuya

 



         朔也様

 

      素敵な作品をありがとうございます
      関西弁に滅法弱い私読みながらドキドキして真赤でした(笑)
      だって、ねぇ?『服部くん、頑張って』と言いたくなっちゃう、そんな小説なんですもん。

      そして、浮かれ気分の私は勢いに乗って朔也様に頼み込んで 『蘭side』 を
      書かせて戴きました。こちらも併せて読んでみてください。
      服部くん
報われるハズです(ぇ/笑)

 

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