Detective Shinichi

                                              by,ruka

 

   大阪駅で快斗くんと別れたあたしは新一との待ち合わせ場所に向った。

 

   ―梅田ビックマン―

       「悪かったな、待たせちまって」

       「んーん、全然。あたしも、この辺に着いたのお昼頃だったし、大丈夫よ」

       「何かあったのか?」

       「え?・・・・別に。どーして?」

       「イヤ、やけに機嫌いいから何かあったのかと思ってよ」

       「あら、何もないわよ?」

   そういって微笑みながら、いつもどおりを装うあたし。

   さっきまで、快斗くんと一緒だった・・・・なぁんて言えないもんね。

   あたしは、何事もなかったかのように振舞っていたハズだった。

   とりあえず、ヘップの中にある喫茶店に入ることになりエレベーターを待っている時のこと。

       「そーいや、昨日は快斗と一緒だったんだろ?何時ごろまで一緒だったんだ?」

       「・・・・え?・・・・あ、新一にメールした時にはもぉ別れた後だったから・・・・9時ごろ・・・・だったかな」

   なぁんとなく、疑ってるようにあたしを見る新一。

       「あっ、ホラ・・・・エレベーター来たわよ?」

       「あぁ・・・・昨日は何処に行ったんだよ?」

       「昨日は、梅田でずっとお茶してて・・・・殆ど話して別れたカンジ・・・・かな」

   やけに、つっかかってくるなぁ・・・・とは思いつつ、普通に返してるつもりでは居たんだけど・・・・。

       「へぇ・・・・お茶しただけ・・・・ね」

       「何よ?そんなに昨日のことが気になるの?」

       「そりゃーな。やけにあっさりしすぎてるっつーのがひっかかるし・・・・」

       「快斗くんだっていろいろ用事があるんじゃない?今日は午後から用があるみたいだったし・・・・だから、

        今日は見送りには行けないけど、また遊ぼうって・・・・話してたし」

       「そうか。アイツ今日は来れねーんだ?」

       「うん、そう言ってたわよ?」

   何となく周りをキョロキョロしている新一。

       「なぁに?・・・・何か落ち着かない様子だけど・・・・」

       「イヤ、アイツのことだから・・・・また、その辺で見てんじゃねぇかと思ってさ」

       「やぁーだ、新一ったら。それは絶対ありえないわよ。もぉ、帰ったし」

   その言葉に、あたしを見る新一。

   マズイ・・・・推理モードに入った表情・・・・。

   お店に入って、パフェを注文して全く別の話に変えようとした時だった。

       「さて、んじゃ、ゆっくり聞かせてもらおうか?昨日のおめぇの行動を」

       「あ・・・・あたしの行動・・・・って、さっき、言ったとおりよ?」

       「俺にメールした時、本当は何処で誰と何をしてたんだ?」

       「だっ・・・・だから、1人で・・・・ホテルで・・・・」

       「おめぇが本当のこと言わねぇと・・・・この喫茶店で1日過ごすことになるけどいいか?」

       「うっ・・・・・・。わ・・・・わかったわよ・・・・」

       「よし、嘘つくんじゃねぇぞ?快斗と別れたのは何時だったんだ?」

       「・・・・12時ぐらい・・・・」

       「っつーことは、俺がアイツにメールした時、側に居たんだな?」

       「うん・・・・」

       「アイツ・・・・だから、あんなにあっさりしてたのか・・・・」

       「ねっ・・・・ねぇ、新一。もっ・・・・もぉ、いいじゃない。アイス溶けちゃうわよ?」

       「まだ、終わっちゃいねぇだろ?」

       「だぁから、言ってるじゃないっ・・・・別れたのは12時。それまでずっと一緒に居て、梅田まで送ってもらって

        今日は午後から用事があるって、車で帰って行ったんだってばっー」

       「・・・・・・・・」

   新一・・・・別れたのは昨日の夜中の12時と勘違いしてたんだ・・・・あたし、余計なこと言っちゃったかも。

       「一晩、一緒だったのか?」

       「・・・・うん・・・・昨日遅くに車で送ってもらって・・・・そのまま、あたしの所に泊まったのよ。で・・・・梅田まで

        送ってもらったの・・・・」

       「おいっ、ホテルで一夜を過ごしたっつーことは・・・・」

       「なっ・・・・何もないわよっ!?・・・・ホントに何もしてないんだからっ」

       「・・・・ったく・・・・また、俺は騙されたってことかよ?」

   真っ直ぐあたしを見る新一。

       「ご・・・・ごめんっ・・・・騙すつもりはなかったんだけど・・・・」

       「・・・・とりあえず、今日はここに来てねぇんだよな。アイツは」

       「うん」

   真実を知って、少し動揺を隠せなかった新一も、その後遊園地で遊ぶことで落ち着いた様子だったから良かった

   んだけどね。

   遊園地を出てからあたしが帰るバスまでの時間は3時間ちょっと。

   結局、新一の家に戻って最後にもう一度、ご飯を作って一緒に食べることになったの。

       「今回は蘭の手料理2度も食べたことだし・・・・ま、昨日のことはひっかかるにしても許してやるか」

       「あはは・・・・もぉ・・・・まぁだ怒ってたの?」

       「あたりめーだろーが」

       「でも・・・・こうして、一緒に居られるんだもん、いいじゃない。前なんて一緒にすら居られなかったのよ?」

       「それもそーかもな」

   家に帰るギリギリまで一緒に居られて・・・・あたしにとっては楽しい旅行だった。

 

 

                                                          おしまい♪

 

 

 

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