Tea for Two

                                              by,ruka

 

 ―工藤邸―

   「えっ・・・・新一、明日は居ないの?」

   「あぁ、ちょっと片付けなきゃなんねぇ事件があンだよ・・・・夜には合流すっからさ」

   「明日は何か予定でもあったんですか?」

   「んーん、快斗くんの用事が終わるの待って・・・・新一と合流するだけだから、何もないんだけど・・・・」

   「だったら、2人で時間まで・・・・どうです?」

   「そうよねっ、白馬さんと2人ってあんまりないし・・・・どっか行こっか」

   「・・・・この間、2人で食事してたじゃねぇかよ・・・・」

   「この間だけでしょ?それに・・・・この間も今回も新一は事件なんだもん、しょーがないじゃない」

   「だからってなぁ・・・・」

   「ま、明日は蘭さんとゆっくり過ごしてきますから、工藤くんものんびり事件を解決してきてください」

   「てめぇ・・・・(苦笑)」

 夕方には、新一や快斗くんも集まる予定だけど、それまでの時間を白馬さんと二人で過ごすことになった。

 前回、新一に内緒(?)でデートした時は・・・・秘密の喫茶店でお茶して・・・・食事をして別れたのよね。

 新一がお風呂に入ってる間も、「明日は何処に行こうか」なぁんて、2人で盛り上がってたんだけど・・・・

 結局、結論は中途半端なままみんな布団に入ってた。

 

 ―次の日―

 朝10時には家を出ようなんて前日話してたのに目を覚ましたのは10時。

 結局、のーんびり朝を過ごしちゃったせいで動き出したのはお昼前だった。

 動き出してからすぐお昼御飯を食べることになって、イタリア系のお店に入るあたしたち。

   「なぁんか・・・・あたしたちっていっつも、ゆっくり・・・・ってカンジよね(笑)

   「流石に昨日は遅かったですしね」

   「そうよね。みんなでいると、つい時間が経つのも忘れちゃうんだもん」

   「まぁ、バタバタと時間に押されるよりはいいでしょう。僕はこうして蘭さんとゆっくり話せるのがいいんですから」

   「もっ・・・・もぉ、白馬さんったら(苦笑)」

 でも、実際にそうなのよね。

 2人で出かけてる時、どっかに腰掛けて話してたり・・・・お店でのんびりお話したり・・・・あんまり、急いで移動する

 とか、次は何処って行き場所に迫られてるってカンジがしないの。

 だから、一緒に居て落ち着けるのかもしれないんだけどね。

 

 快斗くんが用事を済ませてる、大きな敷地の側まで来たあたし達は、お茶でもしようってお店を探していたハズだった。

   「なんか、入りたくなるようなお店が無いですね・・・・お茶だけでいいんですが・・・・」

   「あっー、見て見て!・・・・この子すっごい人懐っこい」

 販売機の横に日向ぼっこをしてる猫を見つけ思わず近寄っていったあたしを見て、笑いながら側にくる白馬さん。

   「可愛い・・・・全然警戒してないんだもん」

 この猫と遊ぶこと15分くらいしてから、やっと本来の目的を思い出したんだけど・・・・。

   「あと、20分もすれば約束の時間ですが・・・・どうします?何処か入って休みますか?」

   「ホントだ・・・・お店に入るのも勿体無いし・・・・ジュースでも買って、座れる所探したほうがいいかもしれないわね」

   「そうですね、では・・・・行きましょうか」

 そう、あたしたちがとった行動は・・・・結局、日向ぼっこしながら缶ジュースを飲み、のーんびり話しながら快斗くんを待つ。

 でも、こーやってゆったり過ごしてるのが、白馬さんとあたしにはピッタリなのかもね(^^)

 

                                              おしまい

 

 

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